世代別の消費者の特徴:Z世代
August 21, 2017
マーケティングにおいて、消費者を属性によりカテゴリ分けすることがよくあります。最も多い分類の一つが世代別の分け方です。
「Z世代」は近年注目され始めている世代の一つです。Z世代へのマーケティングを考える際には、Z世代とはどのような世代であり、どのような特徴があるのかを理解する必要があります。
Z世代
-ポストミレニアル世代とも呼ばれる
-おおまかに1995年生まれ以降の世代を指す
-ミレニアル世代に匹敵する人口の世代である
-多くがX世代(1965年~1980年生まれ)を親に持ち、一部はミレニアル世代(1980年~1994年生まれ)と重なる
-インターネットがない時代を知らない世代であり、携帯電話とともに育ってきた世代である
一般的な特徴
-競争心が高く行動的で、冒険を好み、好奇心が強い世代だという自覚がある、ただし自身について当てはまるとは考えていない
-ややリスクを避け、安定を望む傾向があるが、同時に9.11後の大不況の広がりとスタートアップブームにより、起業家精神も持つ
-政治的にはミレニアル世代よりも保守的である
-TVを観るよりもインターネットをして過ごすことが多く、日常的にミレニアル世代の倍の時間をネットに費やしている。「デバイス中毒」になっているという自覚がある
-集中力が短い傾向にあるが、マルチタスクが得意である
-Photoshopによる過剰な加工に嫌悪感を持つなど、「本物である」ことを重視する
Z世代に対するマーケティング
現在10代が大部分を占めるこの世代は、ソーシャルメディアとともに育ってきた世代です。ソーシャルメディアはZ世代のオフラインでの生活にも大きな影響を与えています。
従来の広告で訴求することができた上の世代と違い、この世代にはこれまでのような広告で訴求することは難しくなっています。デジタルネイティブであるZ世代は、オンライン広告に関心を持たず、ミレニアル世代よりもオンライン広告をクリックせず、TV CMにもめったに関心を持ちません。
Z世代よりも上の世代に対して効果的であったチャネルに対して予算を配分するよりも、Z世代が関心を持っているチャネルで興味を持たれるコンテンツを発信していくことが重要だと言えるでしょう。
Z世代にもっともよく使われており、必要不可欠となっているプラットフォームはYouTubeです。Instagram、Snapchat、FacebookはZ世代にとっての主要なソーシャルネットワークです。
また、多くのZ世代にとってこの3つのソーシャルネットワーク以外に、Snapchatが友達とのコミュニケーションになくてはならないものになってきています。
Z世代を理解する上で忘れてはならないのは、この世代はソーシャルメディアのインフルエンサーがハリウッドスターのように注目を集め、時にはより強固な信頼を得ている時代を過ごしてきたことです。
これはZ世代が何を信頼できるものとして選択するかということにも関わっています。Z世代の多くは、実際の生活に基づいた娯楽に接することを好んでおり、製品そのものと同じくらい製品の裏側を知ることのできるコンテンツを面白いと感じています。
また、Z世代は消費者あるいは求職者として企業に接する際に、ソーシャルメディアでの発信を行っていない企業のことを懐疑的に見ることがあるということも重要なポイントです。
今やZ世代のおよそ半数が、ブランドが存続していくためにはライブイベントが必要不可欠であると考えており、あらゆるものが「インスタ映え」し、共有できるものであることが求められています。
このような時代の中、ブランドは提供する価値を見直す必要に迫られています。ましてや、ソーシャルファースト世代は自身がクリエイターである世代です。製品を作るだけではもはや不十分で、あらゆる企業に「体験」を提供することが求められています。
まとめ
Z世代がまだ若い今のうちにこそ、企業としてつながりを失わないようこの世代に対するブランディングをすぐにでも始める必要があります。
伝統ある大手企業はZ世代からの関心を失いつつあります。特に小売業界や、Airbnb、Uberに脅かされるホテル産業、運輸業界などで顕著になっていると言えます。
Z世代にアプローチする際には、価値を提供し、クリエイティブで、デジタルなアプローチが必要不可欠です。Z世代は店舗で買い物をすることを今でも好んでいますが、欲しいものがなかなか見つからない、もっと自分に合ったサービスがほしいなど、店舗での買い物に最も満足しにくい世代でもあります。
最も効果的な方法は、オンラインの世界とオフラインの世界を融合させるような体験を作り出すことです。
Z世代へのマーケティングとは、個人として、自分自身をブランドとして行動する世代へのマーケティングだということを忘れないようにしてください。簡単なことではありませんが、5年、10年先のビジネスを考えるのであれば避けては通れないことです。